フィナンシェのお友達に、フリアンという呼び名の仲間がいます。
実はこれ、どちらも大差はないようです。使用している材料もほとんど大差はなく、どちらも薄力粉に砂糖、卵白にアーモンドプードルそしてバターを使用しており、形による呼び方の違いが大きな点のようです。フィナンシェについての生い立ちと形状の由来は、HP内の「ヒストリア」をご参照頂ければお解り頂けると思いますが・・・
フィナンシェはもともとは、サン・ドゥニ通りの菓子職人ラヌが考案した、金塊を模した型に入れて焼いたもの。金塊(インゴッド)型のお菓子が、パリ証券取引所の連中に気に入られ、彼らが縁起を担いで食べたとか、またスーツ姿でも手を汚さずに仕事をしながらでも片手で簡単に食せたことからなど、いつのまにか、このお菓子はそれらに因んでフィナンシェと呼ばれるようになりました。
そのマヌが作った形に気遣ったのか、それ以外の型で焼かれたものは、総じてフリアンと呼ばれる傾向にあります。そのためフリアンは正方形や楕円型など、金塊型とは一線を画した型に入れて焼き上げたものが一般的です。フリアンは、「美味しいもの(Friand)」や「美食家」の意味を持っていますが、未だにフィナンンシェとフリアンの明確な違いは、しっかり定義づけられていないようです。